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不妊症の治療について |
一昨年より、不妊症の患者さんおよび不妊気味の患者さんの施術を担当することが増えました。結果、どうだったか?実は私自身が驚くほどの報告をいただいています。
何度かブログにて報告いたしましたが、今年に入って出産ラッシュで、6月現在までに8名の誕生の報告をいただきました。
さて、では何をしたか?
実は特別なことは何もしていません。
私が初めて妊娠/出産のご報告をいただいた方も、最初から【不妊症】の治療が目的で来院したわけではなく、不妊症の治療(これを不妊治療というのはどうも抵抗があるのですが・・・)に精神的にも身体的にも疲れてしまい、【自律神経失調】になってしまい当院にお見えになりました。
いつしか、疲れが抜けにくく、精神的にも身体的にも不安定で目眩やら自律神経症状が出てきて【自律神経失調症】と言われる状態になったそうです。そしてあまり薬が好きではなかった彼女は東洋医学でなんとかならないか?とあちこち情報を探し、当院に行き当たったそうです。
それから半年週2回のペースで治療に通われ、様々なお話をしました。
治療自体常に右肩があがりの回復であったか?というとそうではありません。時には体が過敏な状態になり忘れていた痛みを思い出したり、気圧など天候変化を受けて調子を崩したりと繰り返しながら徐々に大きく調子を崩れる回数が減っていきました。
そして半年がたつ頃から徐々に体の様子を診ながら週一回の治療に切り替え、しばらく・・・
(だいぶ体の調子も安定し大きく調子を崩すこともなくなったし、そろそろ治癒かな?)
と、思った矢先、
「妊娠しました」
と嬉しそうにご報告いただきました。
自然妊娠でしたね。これは正直な話私にとってもサプライズでした。
その後、彼女は実家に戻り出産に備えることになりましたので、私の手から離れました。
そして数ヶ月、今度はメールで「出産しました。母子ともに健康です。ありがとうございました」と短いですがメールをいただきました。
思わずPCの画面に「こちらこそありがとうございました」とお礼を言っている私がいました。
きっかけはこんなものです。そもそも私自身、自分が不妊治療を扱うとは思ってもいませんでしたから。
その後、縁があるのでしょうか?どうようの形で何人か携わることになりました。
今のところ素晴らしく幸運な結果に恵まれています。ここが私としても不思議なところですね。
さて、では私のところにお見えになった方々にどういう特徴があるのか?
1.【冷え】が強い。
私のところで体のバランスが崩れていることを【冷え】が生じている(体が正常に働いていない=機能低下を起こしている状態)と言い、その程度が重いことを【冷えが強い】と表現しますが、いずれの方も冷えが強く、【具体的な病名のつく慢性疾患】をお持ちでした。
2.【病名のつく慢性疾患】を抱えていた。
こう言っては何ですが、不妊治療は正直、今どうなっているかがわかりません。あとどれくらいで妊娠するかは【神のみぞ知る】の部分がないわけではありません。一方、慢性疾患については症状がありますので体の変化に伴って症状がどうなっていったか、今現在どうなのかをお互いに知ることができます。なので【治療を続けやすい】のです。
3.しっかりと定期的に通われた。
長い人で今のところ最長1年半。(開院からそろそろ2年目が終わろうとしています。)。多い人で週二〜三回定期的な治療、あるいは体調調整に通ってくださった。その中で日々のストレスを発散し、また日々ストレスをためないような生活に切り替えられた結果だと思います。
このように長期的視野で治療、あるいは健康管理という形で関わった方によい結果が出ています。
不妊症の治療には正直な話、【冷え】をきちっと取るために長期的視野でのケアが必要です。
最初から【不妊症の治療】という形で受けた例がないのか?
実はありません。・・・というのも私は正直に話してしまうからです。
不妊症の治療は「いつまで治療すれば必ず授かりますか?」と聞かれて答えられる性質のものではありません。逆に答えてしまうのは不誠実だと私は思います。母体となる身体の調子を整えて少しでも良い状態をキープする、身体に妊娠に耐えうる余力を作る。そのためにもてる手を尽くすというのが私の仕事だと思っています。
だとしたら「半年ほどで授かった方もいらっしゃいます。」という答え方はOKですが、「半年も続ければOKです」というのはNGだと私は思います。
誠実に回答せよというのなら「調整をしてあげて良い状態をキープしてあげると期待が持てます」あるいは「可能性が高まると思います」というのが正直な話です。
また治療回数や期間についてもきちっと現実的なお話をしますし、具体的な金額を示します。こちらとしては冷えが強い方が多いので「週一回ではなく週二回以上通って欲しい。」と正直に言いますし、週二回で半年であれば一月あたりうちの場合4万ほどですから24万〜の施術料がかかることになります。これも当然ですが数字で示します。
確かにホルモン注射数本分に比べれば年間にしたって安いですし、身体にかかる負担も少ない。もちろん現代医学の不妊治療と併用しても全然問題なし。むしろ併用した方が良いのではないかと言うお話も業界では検討されています。制限やリスクは実は非常に少ない。けれど、決して安いものではありません。
それでもやりますか?
この問いはしなければならないと思います。こちらも皆さんのお体と真剣に向き合っているのですし、ある意味で戦友になるわけですから。お互いに気軽にできるものではありません。なんせ求められる結果が漸次的改善、解消ではなく、○か×かですからね。
ま、そういうとかなり厳しいお話になるので、漠然と「はりきゅうで何とかなったらいいな〜、できれば2〜3回で」なんて思っている人はやりません。
結果的に当院の場合は、他に解消したい疾患、症状があってそれが日常生活に影響を与えている人の中で幸運に恵まれた方が出てきたというわけですね。
もしこれを読まれてそれでもやりたいという方はこちらもお手伝いさせていただきます。
藤井崇次(泰心堂はりきゅう院 院長)
お問合せ → ここ
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